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主にひと昔前の音楽についていろいろ書いてみます。
Curtis Mayfield
先日家人が
「ストーンズの『メインストリートのならず者』は
本当にストーンズのファンかどうかを試す踏み絵だ」
と申しまして。

メインストリートのならず者

なるほど、ワンコードセッション的でブルージーな曲が
2枚組のボリューム。
こういっちゃなんですけど、つかみどころがない。
この2枚組を通して聴くのは結構ハードル高いかも。

更に家人が言うには
「キャッチーなのがいいなら、他のイギリスの
ビートバンドものでも聴けばいいし。」
なるほど。それもそうだ。

それで思い出したのが、Curtis Mayfieldの
"There's No Place Like America Today"

Theres No Place Like Amerca Today

展開らしい展開がない曲ばかり。
音圧も恐ろしく低め。猛烈に抑制が効いています。
少ない音数がピーンと張りつめた空気感を醸し出しています。
前後のアルバムにもこれっぽい雰囲気の曲はあるんですけど、
アルバム全体が張りつめた空気感で貫かれているのはやはりこのアルバム。
つかみどころがないといえばないのですが、
ピリピリ感をアルバムを通して堪能できるこのアルバムが
カーティスの最高傑作アルバムという意見も、なんか分かる気がします。
ある意味これこそカーティスファンかどうかを見極める踏み絵なのかも。

でもなんだかんだでキャッチーな曲が好きな私には難解です。
ロックとかブルースが心に響く人でないと難しいかも。
やっぱり私は当たり前に1stが好きですね。
あとなぜか評判悪いけど、「アメリカ・トゥデイ」の後の
"Give, Get, Take And Have"とか"Never Say You Can't Survive"
辺りのアルバムが名曲が多くてかなり好きです。
この辺りは重厚なオケに聴き応え十分な歌が乗るという、
ソウルの基本スタイルにより近いんですよね。まだまだ音圧低めだけど。
それにカーティスのアコギが優しく絡んでくるんですよ!
なんで評判悪いんだろう。。。Soul度が高いから?

Give, Get, Take And Have "Give, Get, Take And Have"

Never Say You Cant Survive "Never Say You Can't Survive"

不思議なもので、カーティスがプロデュースしたアーティストの作品は
自分名義の作品よりずっとソウルフルなんですよね。
特にサントラ作品はホント素晴らしい!
そして、後者の2枚はカーティスがプロデュースした他のアーティスト作品に
より近い気がします。
「アメリカ・トゥデイ」に慣れた耳には平凡に聴こえるかもしれないけど、
慈愛に満ちた後者2つはストレートに心に沁みてきます。

Lets Do It Again The Staple Singers "Let's Do It Again"

Claudine.jpg Gladys Knight & The Pips "Claudine"

sparkle.jpg Aretha Franklin "Sparkle"


そういえばカーティス本人名義のサントラはとてもソウルフルかつファンキーです。
サントラだと音圧が上がりますね。

superfly.jpg

short_eyes.jpg


カーティスの世界は優しくも哀しいです。
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Posted by mayu
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[blackmusic
"Gonna Take A Miracle"Laura Nyro
gonna take a miracle

Laura Nyroは前やっていたブログでもエントリしたんですけど、
ファンなので何度でもエントリします(笑)。

Laura Nyroが1971年にリリースしたアルバムです。
多くの曲が60年代黒人音楽のカヴァーです。
友達のPatti Labelleのつてで、かのシグマスタジオにて録音。
プロデュースはGamble & Huff。

と聞けばコッテコテのフィリーサウンドかと思いきや、
そこはLaura姐さん、そう簡単にはフィリー色に染まりません。
心なしか音が洗練されたかのような印象もありますが、
PIRお決まりの分厚いオーケストラがかぶさることもなく、
自身のエモーショナルな弾き語り風ワールドがそのまま表現されています。
それでいて60年代エッセンスもここかしこにちりばめられているような。
つまり、60's Black Musicをなぞったのではなく、
Laura Nyroの中で咀嚼された60's Black Musicが表現されたものなのです。

Patti LabelleのコーラスワークがMartha Reeves & The Vandellasっぽく、
そんな好みが反映されたかの如く3曲入っています。
つかモータウン率高っ。

そんなわけで、名盤です。確かに。
超名曲ばかりカヴァーされているんだから、悪くなりようがないです。
でもこれが最高傑作かといえば、?です。
レココレの影響かこれを最高傑作という人は意外と多いみたいですが、
Laura Nyro程のSSWつかまえて、カヴァー集が最高傑作っていうのは
そりゃあんまりかと。。。
やっぱり最高傑作は1st~3rdのどれかだと思います。
個人的には2ndが一番好きで、僅差で1st。

もちろん好みは人それぞれですけどね。
Posted by mayu
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[music
"Whatcha See Is Whatcha Get" The Dramatics
whatcha_see_is_whatcha_get.jpgドラマティックスの話を書こうかなあ、なんて思って、
あらためて聴き返すも、あまりの名曲の多さにクラクラし、
後回しにしようかなあと思った矢先に飛び込んできたRon Banksの訃報。

また一人、偉大なシンガーがこの世を去りました。

追悼の意味も込めて、今回はThe Dramaticsが残した超名盤、
"Whatcha See Is Whatcha Get"をエントリします。

満を持してリリースされた、デヴューアルバムです。
駄曲なし。聴きごたえ十二分。
熱いシャウトあり、甘くも力強いファルセットあり、
ぞくぞくするコーラスワークもあり。
ヴォーカルグループ、かくあるべし!
そんな歌をバックの重厚なサウンドが支えます。
ノーザンらしいサウンドですが、なんとあのSTAXなんですね。

特に好きなのが

Get Up And Get Down
Thank You For Your Love
Whatcha See Is Whatcha Get
In The Rain

あたり。
「この一曲の為にこのアルバム買うべし!」っていうレベルの曲が
4曲も入っているんですよ。なんという名盤ぶり!

そんなこんなで全ソウルファン必携の一枚であることは間違いなしです。
ドラマティックスは他にも沢山名盤がありますけど、
何はなくともまずはこれ。
極上のソウルミュージックがこの中にあります。
Posted by mayu
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[blackmusic
shouter!
結構最近まで断然ファルセッターの方が好きだったのですが、
ここ何年かでようやくシャウターって素晴らしいと思えるようになりました。
ソウル好きのくせにシャウター好き歴はとても短いのです。

そんなシャウター入門者の私が好きなシャウターを
10人ピックアップしてみました。

 more...

Posted by mayu
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[blackmusic
The Temptations "Wish It Would Rain"
引き続きベタなところで。

テンプスのアルバムの中で、コレが一番好きという人も結構いる名盤。
うちにはレコードしかなく、なかなか気軽に聴けないアルバムの一つです。
だいたいうちのレコードは、家人が若い頃昼飯抜き、おやつ抜きで
なけなしのおこづかいをはたいて買った思い入れの深いものばかりなので、
手垢でもつけようものならそりゃもう。。。(汗)

temps.jpg


それはさておきこのジャケ、見た感じ荒野を進む兵隊さんが、
日照り続きで干からびちゃっている、っていう設定のようです。

ん?約一名にかっと笑っている緊張感のないヤツがいますね。

david.jpg


David君、ハートマン軍曹に怒られますよ。
Posted by mayu
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[blackmusic
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